2014年9月8日月曜日

9月の講評会

9月最初の授業は、8月に三重県の鳥羽水族館において行ったアクアリウム撮影会の写真作品を講評しました。

館内は照明が暗いところが多いので、撮影者による手ブレや被写体ブレを起こしてしまいがちです。今回の撮影会では三脚の使えない館内で、それらに注意を払いながら撮る方法を練習しました(・ω・)b

それでは早速、簡単なコメントとともに作品を掲載したいと思います。講評会では回遊魚や海洋生物を撮った作品がたくさんありましたが、それらは技術的にも問題なく撮影できておりましたので、今回は少し変わった視点からの作品を選んでいます。

ちなみに、水族館だけではなく面白い博物館でも撮影しましたので、そちらで撮影された作品もありますのでご覧ください。

ジュゴンと同じように人魚のモデルとなったアフリカマナティーの写真です。
マナティーの背中には、まるで光のカーテンに包まれたような演出が神秘的な被写体とマッチしています。水面の波模様や青い色が美しくて透明感に溢れています。アクリルガラス面にカメラが反射しないようにきちんと撮影出来ているところも評価のポイントです。


水中は光が差し込まなくなると実は真っ暗な世界です。クラゲなどが展示されているコーナーでは、ときに宇宙空間に漂うようなクラゲの写真が撮れることもあります。縦のアングルで撮ることで奥行き感を表現できている点がよいですね。左上の空間が少し多いのでフレーミングをもう少し頑張ればさらに良くなります。ちなみに写真はタコクラゲです。


こちらも不思議な作風です。水面の波にピントを合わせ、かつ高速シャッターで撮影することによって波の模様がくっきりと写し出されています。ことのときのシャッター速度は1/8000秒。一瞬の表現である写真の素晴らしさが垣間見えている素晴らしい作品です。
泳いでいるペンギンの影も爽やかな作品に一花添えています。


水族館で撮影をしたあと、とある博物館にて撮影をしました。
そこで見つけた、あるレリーフを大胆に切り取った作品となります。レリーフそのものをそのまま撮影してしまうと写真としての面白さには欠けるのですが、顔や腕をバランス良く撮影することで今にも動き出しそうな画を得られています。また、モノクロによって色情報をなくすことで、見る側に想像させる要素もプラスされていると思います。


こちらも博物館で展示されていた漁で使う籠の写真です。
注目すべきは籠の斜め上から差し込む光。よく見てみると、籠に照らされた光によって見えてくる被写体の形状と影によって隠された形状が被写体を見せすぎないという面白さを伝えているようです。見せるべき所と、あえて見せない所、それを結んでいるのが光や影だと思います。上部の空間に少し圧迫感があるので、構図のバランスを考えれば完成度は高くなるでしょう。