2013年5月19日日曜日

5月の講評会

今月の初旬、和歌山ビッグ愛にて4月の撮影会で撮った作品の講評会を行いました。

滋賀県の海津大崎や彦根城にて撮影された受講生の作品は優れているものが豊富で作者の心が感じられる内容でした。講評していて楽しかったです。

今回は、その中から彦根城で撮影されたモノクロームの作品を一部ご紹介いたします。


寺地 清
彦根城のお堀にある松並木が被写体です。モノクロで松の幹を墨色に表現、黒い部分を強調して被写体の存在感をより高めています。普通に歩いていると見逃してしまいそうな松並木も写真で切り取ると立派な芸術作品になりえると思います。フレーミングに僅かな隙がありましたので、元の写真より少しだけトリミングさせていただきました。


福島 淳二
彦根城のお城か門などに使われている木部の写真のようです。よく見ると木の一部に修復痕(写真右上)があるのですが、それこそが自然の木目に対して不思議なアクセントとなる働きをしています。実際の画像は写真でこそのディティールが繊細に表現されており、見る者を唸らせます。全体としての完成度が高く、ストレートな手法が生きています。


馬場 利之
お堀の水面に映り込んだ桜の写真です。風で揺れている波が被写体の表情を変化させているところがポイント。とくに写真はワンフレームに時間を閉じ込めるので、木のシルエットを保ちつつも幻想的なものとする必要があります。また、こちらの写真には丸い波紋が写っており、安定感のある構図から単調さを打ち消している点も高く評価できます。